(3)好きな歌で音域広げる
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伸びやかな声を保つには、歌もいい。年と共に衰える呼吸筋やのど、口の筋肉が鍛えられる。腹式発声で肺から安定した空気が送られると、声のざらつきも減る。
昭和音楽大准教授の羽石(はねいし)英里さんは、パーキンソン病で声がかすれる高齢者に歌を使ったレッスンを行い、効果を上げている。「一般の高齢者の方にもお勧めできる方法だと思います」
まず、肩をほぐすなどして、軽く上半身の柔軟体操。手をまっすぐ上げて、頭の上で手のひらを合わせ、すとんと腕を下ろす。胸をおなかの上に乗せるような感じで立つ。立てない場合はいすに座ったままでもよい。花のにおいをかぐような感じで息を深く吸い、深呼吸をする。
おなかに手を当て、腹筋の動きを意識しながら、「シュー」という音を出して、息を長く一定に吐く。続いて、ピアノの伴奏に合わせて発声練習。この時、声の響きに意識を集中させる。
一通り終えたら、その発声法で、自分が好きな曲を歌う。「夕焼け小焼け」でも「琵琶湖周航の歌」でも何でもよい。部分的に強弱をつけて、歌の表現力を増す。音の高さを少し上げたり下げたりして、もう一度歌ってみる。
こうした練習で、声に強弱がつき、音域が広がる。上達すると、息継ぎの回数が減り、自然に息が長くなるという。
歌のレッスンが終わったら、好きなせりふや詩、和歌などを声に出して読む。歌声は向上しても、話し言葉は改善しない人もいるからだ。こちらも「白浪五人男」や「百人一首」など何でもよい。
専門家について学んだり、合唱団に参加したりする機会があれば、やってみよう。「楽しんでできるのが歌の魅力。気分も明るくなり、精神面の効果も期待できます」と羽石さんは話す。
(2009年12月17日 読売新聞)